長いスパンで、バブル以前まで世界のゴルフはアメリカ、ヨーロッパ、日本と三極時代が続いていた。
しかしバブル後20年はどうか。現代のゴルフの潮流をみると5大陸で発展が著しく、
もはやゴルフの潮流は三極時代をはるかに超えてすさまじい勢いで地球を覆っている。
では、日本は20年間何をしてきたのか。
その解明は各組織の停滞から、大きく世界に遅れる状態がはっきりしている。
第一は、20年以前から論じられてテーブルに乗った贅沢税の撤廃運動が、
地方の財源危機を招くからという不文律で国会でも却下されたことだ。
2020年は、オリンピックを迎える。
残すは2年の間に解決しなければならない問題だ。
まさしく政治論争の的に、スポーツに税をかけるなど先進国として恥になる法案が足踏みする日本、
地方財政の要の自治機関も撤廃に賛同するのが筋だ。
もう一つは、ゴルフの組織機関が実に脆弱でまとまりがないことだ。
いつまでも若返りができない幕政の老中職が近代化のハザードになったのと似て、
ゴルフ界に活気がみなぎらない組織で、腐敗と停滞を熟知して研鑽していないのだ。
USGA、R&Aの息吹がいち早く流れ込む日本に、情報収集と報知に怠慢となり、咀嚼していないのが、
未来に禍根を残す。世界の流れに率先して、日本のゴルフを充実させる行動が求められる。
日本ゴルフ協会へ
日本のゴルフの総本山として役目は重大である。
2016年のオープンは、狭山で開催され、問題視されてきたJGAの興行が、初めて成功したといえる。
つまり、国際級の戦略性のある選手権として、世界に発信できたからだ。
ルールを司るJGAは、ゴルフメディアと二ヶ月に一度の割で、懇親会を開催することを提案する。
表裏を伺わないが、ゴルフメディアはアンチJGAが90%を超える。
理由は、JGAの真実を伝達する機関がマヒして機能していないからだ。
もっとJGAはゴルフMディアを図々しく利用すべきである。
各地区連盟の顔色をうかがっていては、本来のJGAの思惑が軌道に乗ることはない。
各地区連盟は財政を豊かにするために、傘下のクラブと会員に競技参加で補う。
JGAには公式競技も限定がある。
20年たった今でも財政に困窮しているのが現状である。
その点からも、メディアと常に疎通を図るべきである。
日本ゴルフツアー機構へ
英樹と遼が抜けた今、興行を成功させるには、簡単な処方箋では成り行かない。
まず、トーナメントにファンが足を運ぶような企画が必要だ。
90%のギャラリーが、統計では、アマチュア選手ができない技を見たいという。
やさしいコースでのアンダー合戦は飽きたというのである。
狭山のオープンのような緊迫した、遼でもチョロのミスをするようなフィールドが対象になってきているのだ。
これをJGTOのトップが理解しているかどうか、スターがいないゴルフ場に誰が観戦に行くのか、である。
まさしく、不勉強の機構に厳しい忠告をしておきたい。
日本プロ協会へ
米国や英国をよく知る倉本がトップになり、煽っているがギャラリーがついて来ない、なぜか。
実践に魅力が薄いのだ。もっとギャラリーと触れ合うキャビネットを構築することだ。
メディアとも懇親を図り、低姿勢で対処するほうがいい。
ギャラリーは何を求めているかをスポンサーの立場ではなく、目線を切符を買うギャラリーに移す必要が肝心である。
日本女子プロ協会へ
2016年もイ・ボミが賞金王、二位も韓国人、日本勢の台頭が望まれているが、国際感覚から見れば当然ともいえる。
ステップアップツアーの充実で、協会の内容を充実させた功績は大きい。
シード権争いから落選した選手の再教育ではない。
新人の発掘に寄与しているのだ。
すでに海外勢を当てにしていない。
海外から帰国しても上位に入るとは思えないほど、下部のせり上げが鋭い。
ギャラリーを惹きつけるLPGAの団結は、興行を豊かにする。
世界の模範的組織に蘇生したのは、役員と選手の同調からくるエネルギーであろう。
さらなる躍進ができる2017年である。
日本のアマチュアへ
世界へ雄飛してもらいたい。
ゴルフ親善大使の役目を果たして行けば、日本のゴルフのステイタスも上がる。
中国、韓国、タイ、インド、フィリピンなどの東洋とアメリカ、ヨーロッパなどにも足を伸ばして
国際感覚を植え付けよ。
日本ゴルフ場経営者へ
アコーディア、PGMなど金融資本クラブで、総括した会員主体のクラブではない。
太平洋クラブでも、メンバー制パブリックで、行先はわからない。
クラブの本質は、利益第一主義であってはならないと断じる。
ゴルフ倶楽部は、会員と経営者が同じフィールドでクラブライフを重んじるところに、
究極の理想と実践がある。
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