ミケルソンは、6月16日に51歳の誕生日を迎えるが、なんと50歳でメジャー最年長優勝を果たした。メジャータイトルを獲得したのはこれで6度目だ。
アメリカ男子ゴルフツアーメジャー第2戦、第103回全米プロゴルフ選手権が5月20日から5月23日にかけて、サウスカロライナ州キアワアイランドリゾートで開催された。
ここキアワアイランドのオーシャンコースは、全長7886ヤードというこれまで記録を持っていたエリンヒルズよりも135ヤード更新してのメジャー史上最長コースだ。バックナインは、ホール毎に風向きが変わり非常に難しい。ビーチもあり、そこら中にバンカーのような砂地がある。そしてそれらの中でも13番ホールは、グリーンまで右サイドに大きな水路が流れていて、グリーンの左はバンカー、右サイドは水路という難コース。また、17番ホールは、巨大な池越えで223ヤードパー3というモンスターホール。非常に難しいコースに選手たちは苦しんだ。
大会は、1日1万人の制限があるとは有観客で行われ、ワクチン接種が済んだ人の屋外でのマスクは不要ということで、マスクをしたギャラリーはほとんど見かけない。やはり観客の声援や拍手は素晴らしい感動を与える。日本のツアーとは全く違った光景が見られた。一時は、世界最大のコロナウイルス感染国だったアメリカが、ワクチン開発に強力な接種推進でここまでの回復をしている力強い姿に、世界ナンバー1の国の誇りと国難を克服する強い意志を改めて感じさせられた。
賞金総額は1200万ドル(約13億2000万円)、優勝賞金216万ドル(約2億3800万円)。
ミケルソンは、最終日、1打差単独首位で出るも、1番ホールからいきなりボギー発進で、同組のケプカに逆転される。しかし2番ホールではバーディで再逆転。圧巻のシーンは、5番ホールパー3。ティーショットはグリーンを外して砂地に。大観衆が見守る中、カップまで15メートル。2打目をチップインバーディを奪うスーパーショット。観客の喜びが爆発した。5バーディ、6ボギーと浮き沈みの激しいスコアではあったが、2番ホール以降は、首位を守り続けた。最終日の最終ホールでは、歴史的瞬間を見届けたい興奮した大勢の観客が取り囲み、もみくちゃになりながらグリーンにたどり着くという場面も。何重にも取り囲む人垣の中で、15センチのウイニングパットを沈めると、両手を突き上げ、キャディで弟のティムと抱き合い喜びを爆発させた。大観衆は、割れんばかりの拍手と歓声だった。
大会後には、アーニー・エルスやトム・ワトソン、ビジェイ・シン、グレッグ・ノーマン、イアン・ポールター、タイガー・ウッズなどの名選手たちが、ミケルソンの偉業を相次いでSNS上などで祝福するなど、ゴルフ界はフィル・ミケルソンの話題で持ちきりになっている。