ゴルフの真髄を追及したUSGA、これがゴルフだと示唆した叡智の決断と実行、USGAがゴルフの甘さを是正する全米オープンであった。負傷を克服し、内実を確かにしたブルックス・ケプカが、驚きの全米オープン連覇を成し遂げた。カーティス・ストレンジが達成した29年前の連覇に並んだ。最終日は、現在、世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンが安定した力で、再び王座獲得かと思わせたが、アメリカ最古のゴルフクラブであるシネコックは、そう簡単ではなかった。松山英樹も、優勝候補の一角にいたが、今一歩、難度の高いコースを征服できなかった。英国のトミー・フリートウッドのファイナルでの追い上げは、驚くべき精度を示したゴルフで、63ストロークを記録し、時間差があるケプカやDJにプレッシャーを掛けていた。欧州ツアーランキング1位をひた走るフリートウッドを、玄人筋は眼が離せない。しかし、最後までもつれた第118回目の全米オープンは、ケプカが手首の負傷を乗り越え、連覇を果たした。体を十分に鍛え上げて、崩れる要素は全くなかった。最終日の難パッティングをDJの合わせ打法より、強めのヒットで、ケプカは勝利を確実にした。昨年、第117回の全米オープンを勝利したケプカは、最後の一打まで、勇気と自信で崩れることはなかった。英樹以外の日本勢は、シネコックヒルズで惨敗に帰したが、このようなフィールドが日本にないため、経験不足に喘いだ形だ。最終スコアは、このとおりである。日本は頭を垂れて、勉強しなければならない。
(特別記者、古賀剛大)
取材後記
ゴルフ伝達のジャーナリストのプロとして、率直に後記とする(TjKoga)
USGA に対して、多様な苦情と批判が寄せられることに対する記者の思考である。
USGAの総指揮官であるマイク・デイビスは、よくやったと称賛したい。ゴルフの真髄は、単純な明快さだけでは、オープンで示されない。スポーツは、過酷すぎる環境の下、人間の英知と勇気と自信で乗り越えるところに醍醐味がある。ゴルフについてもそうだ。聊かの狂いもない緻密なゴルフィングが求められてこそ、頂点に立てるのである。与えられた環境の中で、全力を尽くす、究極の人間の姿がなくてはならない。
だから、記者は、この全米オープンこそ、それを体現したと断じる。神聖なスポーツのゼニットであるゴルフに携わったマイク・デイビス他、USGA関係者に深く感謝し、第118回大会を称賛するものである。
US OPEN special press senior writer, Tj.Koga