第148回全英オープンゴルフは、68年ぶりにアイルランド、ロイヤルポートラッシュで開催された。アマチュアを含むオープン競技で事実上、世界一を決める150年の歴史を刻む大会である。
全英オープンは、リンクスが主軸となるだけに、いかに選手が厳しい自然の中で戦うか、精神力と技術力が試される試練の大会でもある。ゲームが三日目から決勝に入るころ、圧倒的にヨーロッパの選手が台頭する。
4日目、北アイルランドのシェーン・ローリーがトップを走ると、追っているものは、イングランドのトミー・フリートウッドに絞られた。驚きなのは、メジャーだけを手に入れていないフリートウッドが雨風を凌いで、上位でプレーしたことだ。すでにシェーンは、前半9番ではすでに、荒れる自然、寒さ、冷雨、横殴りの強風の中で未踏の17アンダーを記録していたのだ。最終日の極限の北アイルランドのポートラッシュ、昨年の覇者、フランチェスコ・モリナリは、5アンダーで回ったのだから、驚きでもある。ゴルフは、経験値がいかに物を言うか、このコースが示す。やはり、この自然を身に沁み体感した選手が、タフな精神力を維持できる。
アメリカの剛腕の選手、ダスティン・ジョンソンもブルックス・ケプカも、ジャスティン・トーマスも凍てつく風雨に精神力と技術が破壊されたのだ。
日本選手は、R&Aの貢献で多くの選手が出場したが、経験値のない無知なゴルフで全滅した。
慚愧に堪えないのは、タイガー・ウッズ、ローリー・マキロイが予選通過できず期待を外したことだ。日本選手は、あまりにもリンクスと自然対策のゴルフに乏しすぎる。箱庭ゴルフが、ボーダーを超えない限り、トップとの差は歴然である。父母と家族を呼び寄せ、ともに戦いぬいた地元のシェーンは涙の誇らしげなブレイブマンは降りしきる雨の148回目のオープンの覇者としてクラレットジャッグに刻まれた。(記者 古賀剛大)
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第148回全英オープンゴルフ
