第87回マスターズトーナメントがジョン・ラームの初優勝で幕を閉じた。
前日の悪天候によるサスペンデッドの残りを8時30分から開始し、お昼過ぎには、第3ラウンドが終了。
その時点では、ブルックス・ケプカが11アンダーで首位、ジョン・ラームが9アンダーで2位、ビクトル・ホブランが8アンダーで3位だった。
12時30分から最終ラウンドが1番ティからと10番ティに分かれてスタートし、最終組のケプカとラームが一進一退の攻防を繰り広げた。
オーガスタナショナルでは、携帯電話の持ち込みが固く禁止されている。そのため、観客は、掲示板の情報のみで状況が分かる。
18番グリーンの周りでは、次々と最終ホールを上がってくる選手たちを待つ大観客が、この掲示板を見つめながら、刻々と変化するスコアボードを見て一喜一憂する。
「カモン、ジョン!イレブン、イレブン」「ブルックス!イレブン、イレブン!」など、それぞれ応援をしている選手のスコアが書き換えられるタイミングでスコアが上がってることや相手の選手のスコアが下がっていることなどを期待しては、歓声や溜息が飛び交っている。
今回、2打差、2位で最終ラウンドを開始したジョン・ラームが4ホール目にブルックス・ケプカをついに捉え10アンダーで並ぶ、そして、6ホール目には逆転。8ホール目には、2打差に。12ホール目には3打差。13ホール目に二人ともバーディで3打差のまま。しかし、14ホール目に、勝負あり。ラームがバーディを取るも、ケプカは、ボギーで5打差となった。15ホール目と16ホール目でケプカは、連続バーディで3打差に戻すが、時すでに遅し。17ホール目をボギーとし、18番ではパーで最終8アンダーで大会を終えた。
驚くべきは、フィル・ミケルソンが、18番でもバーディを取り、この日の最小スコア65で回り、7つスコアを伸ばし8アンダーで2位タイとなったことだ。LIV組とPGAツアー組とかぞれぞれ対峙するかのような戦いの中だったが、最終ラウンドで、LIV組選手が意地を見せ、追い上げていたのが印象的だった。
ジョン・ラームは、故セベ・バレステロスの2度目の優勝から40年、そして、彼の誕生日にグリーンジャケットを獲得した4人目のスペイン人となった。また、マスターズと全米オープンを制した初めてのヨーロッパ人選手となった。
ローアマチュアは、第2ラウンド終了時点では、3位につけるなど大活躍したサム・ベネットが最終16位タイで獲得した。
松山英樹は、第3ラウンド終了時には5位タイにつけていたが、最終ラウンドはスコアを落とし2アンダー、16位タイとなった。
ウイニングショットを放った直後のマスターズチャンピオン、ジョン・ラーム(スペイン)
18番ホールで祝福に駆けつけた妻のケリーと息子のケパ
グリーンジャケットセレモニーでマスターズトロフィーを掲げるジョン・ラーム
マスターズチャンピオンのジョン・ラームとローアマチュア獲得のサム・ベネット
プレスカンファレンスでメディアに語るジョン・ラーム